闇金業者は傍から見れば闇金だとは気付かれません。そもそも090金融が横行しているのは警察の目を逃れるための手段であり、闇金であると堂々と表示しながら営業している組織はいないでしょう。
そのため融資勧誘のホームページなどについても、闇金とは一見すると分からないような作りになっている事もあります。実際に電話で話してみれば業者の愛想がよく親切な事も多いため、甘い融資条件なども加わりついつい申し込み契約を行ってしまう人もいます。
しかしいざ取引をした後になってやはり怪しいと思い直し、キャンセルする人もまた多いです。このとき契約をキャンセルする事はもちろん可能ですが、場合によっては危険な事態へと状況が変化する事もあるので注意が必要です。
キャンセル料の請求を受けるリスク
闇金被害と言えば金を借りた人が陥るトラブルだと思われがちです。しかし実際の場面では金を借りた事によって追いつめられている人よりも、キャンセル料の請求を受けていて困っているといったトラブルの方が頻発しやすくなっています。
一度申し込んだ融資の希望をキャンセルすると、闇金業者はキャンセルするならキャンセル料を払えと違約金の請求を行うようになります。その取り立ては言うまでもなく正当なものではなく、これに応じてキャンセル料を支払う必要は一切ありません。万が一怖い思いをするよりはと思って支払ってしまった場合には、更にあらゆる口実をつけて金銭の要求を受けるリスクにもなってしまいます。
無視しても大丈夫なケース
上記のようなキャンセル料の請求については基本的に無視してしまうのが一番です。ただし無視しても大丈夫なケースには条件があり、それは個人情報を闇金に渡してしまう前にキャンセルした事です。
暴力行為などの実力行使に出る事がない090金融等の闇金は、何を武器にするかと言えば顧客の個人情報です。口座情報の他にも緊急連絡先として家族や会社の番号を登録してしまっていると、緊急連絡先宛てに取り立て電話が入る危険性があります。
そのため個人情報を渡していなければ無視、渡してしまっているのであれば専門の弁護士への相談という対処方法に分かれる事となります。
キャンセル後の闇金の対応
しつこい取り立て電話
闇金のキャンセル料の請求はしつこい取り立て電話によってなされます。キャンセルしたいのであれば1万円を払わなければ受け付けられないなどと勝手な要求をしてきますが、そもそも契約自体が違法につき無効となるため、キャンセル料が発生する法的根拠はどこにもありません。
キャンセル料の請求トラブルが増えている闇金問題ですが、こういった事態にも専門の弁護士は対処できます。キャンセル料の請求ならば闇金としても金の貸し付けは一切行っていない訳ですから、仮に取り立てが成功しなくても損をする事はありません。むしろキャンセル料にこだわったせいで弁護士に目を付けられれば営業できなくなる危険性が出てくるため、弁護士が介入した時点で即座に手を引く事が見込めるでしょう。
緊急連絡先への被害
闇金のキャンセル料問題で起こるリスクがあるのが二次被害です。緊急連絡先を渡してしまっているときには家族や会社に対して取り立てを行うことが多く、闇金との関わりが少なからずあることによって本人の社会的立場を損ねてしまう事にも繋がります。
緊急連絡先を登録した後にキャンセルしたのであれば、このような被害の拡大を防ぐためにも速やかに弁護士へ依頼する事が賢明です。
また、緊急連絡先の登録がなくてもネットを経由して交友関係を辿られてしまう場合もあります。最近使われる手口がSNSを利用したルートです。フェイスブックであれば実名登録がされているため、顧客の実名を検索してそこから友人知人を割り出します。そして辿りついた無関係の相手に対して取り立てを行う場合もあるため、SNSを普段から活用している人も注意が必要となります。
押し貸しのリスク
闇金のキャンセル料請求を放置した事により、押し貸しの被害に遭ってしまう場合もあります。
押し貸しとは貸してほしいと頼んだわけでもない金を勝手に貸し付けられてしまう行為です。闇金に口座情報を教えてしまっている場合にこの被害が起こります。
闇金が口座に手を出して来る前であれば解約してしまうこともできますが、もしも押し貸し被害を受けてしまった後であるなら即座に弁護士へ相談しなければなりません。実際に金銭の授受が口座履歴上発生しているため、放置する事によってあらゆるトラブルに巻き込まれる恐れが生じます。
専門家への相談が最善
闇金のキャンセル料トラブルを弁護士に相談するべきか放置しておくかについては、上記のように個人情報を渡しているかどうか、あるいは個人情報を追跡される恐れがあるかどうかによって左右されます。
もしも電話番号くらいしか知られていないのであれば取り立て電話を無視する事によってしばらくすれば解決するでしょう。しかしそれ以外のリスクが想定される場合であるなら、深刻な被害が起きる前に弁護士に相談する事が求められます。
弁護士を選ぶときのポイントは全国対応の無料相談を行っているかどうかです。場所を選ばず対応依頼をする事ができ、迅速に解決するためすぐに交渉を始めてもらえます。